4D Fabrication Lab
2005年にスタートした田中浩也研究室では、デザイン工学(エンジニアリング)の視点から、デジタル・ファブリケーションや3D/4Dプリンティングの可能性に国内でもっとも初期から着目し、その先端を開拓してきました。現在は、3つのテーマから研究をさらに深化させています。
ひとつめは、「DfAM (Design for Additive Manufacturing)」と呼ばれる、3D/4Dプリンティングでしか絶対に実現不可能な構造や造形技法の探求です。学生ひとりひとりが3Dプリンタを改造したり、世にない独自の3Dソフトウェアを実装したり、機能マテリアルの実験を行う中から、新技法が次々に誕生しています。
ふたつめは、研究室で生み出された技法をさまざまに組み合わせ、社会に向けて革新的な提案をする「Radical Solutions」の実践です。社会課題をそのまま解決しようとするのではなく、課題の前提や認識の構造自体を疑い、技術の力と意味のイノベーションの両方を駆使して、別の未来への移行(トランジション)を促すデザイン実践に力を入れています。
みっつめは、2030年に向けた未来都市(Fab City)および資源循環圏のビジョン構想、そして実現に向けたコラボレーションの先導です。
研究室には、エンジニアリング系の学生とデザイン系の学生が共存しており、「つくる」という活動を通じ、呪われた「文/理」の壁を壊しながら、現代にふさわしいタフネス(強さ)とフラジリティ(弱さ)を兼ね備えたデザインエンジニアを輩出しています。卒業生の多くはデザインイノベーションファームで働いており、自身で起業する学生も続々と登場しています。(2019.4.1)